しあわせみんな 三号店

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崩壊寸前の国内農業 38%という我が国の食料自給率の低さは異常

崩壊寸前の国内農業 食品の値上げラッシュが続いています。国内の主な食品・飲料メーカーが2022年にすでに値上げしたか、今後値上げする予定の商品は8300品目以上に上ることが民間の信用調査会社の調べで分かりました。平均の値上げ幅は12%です。 主な原因は輸入される穀物などの原材料価格の高騰にあります。これは急激な円と、コロナ禍やウクライナ戦争などによる国際物流の停滞が原因です。 なにしろ昨今の我が国の食料自給率は38%しかありませんので、円安と海外の生産・供給トラブルは、国民の食生活を直撃します。この上さらに、中国の台湾侵攻でシーレーンが封鎖されたりすると、国民生活そのものが成り立たなくなります。 史実を振り返ってみると、大東亜戦争末期から終戦直後にかけての食料難は、米潜水艦による輸送船撃沈および国内各港の機雷による封鎖で食料輸人がストップしたことが主要囚でした。 この38%という我が国の食料自給率の低さは異常です。食料輸出国であるカナダ233%、オーストラリア169%は別格として、フランス131%、アメリカ121%など欧州の平均的な国と比較しても段違いに低いのです。 その一方で、国内の農地は耕作放菓と荒廃が進んでいます。農林水産省の統計によれば、2020年の耕地面積437万ヘクタールのうち、8.7%、38万ヘクタールが利用されていません。これは埼玉県より広い面積です。 使われていない耕地は、単に「ムダになっている」というだけではありません。水田は保水機能を持っているので、耕作することによって洪水を防ぎ、地下水を豊かにしてくれます。またオタマジャクシやトンボなどを育て、人々を和ませる田園風景を提供してくれます。水田を休耕することによって、こうした金銭では計算できない国土の価値が失われるのです。 農業従事者の高齢化も進んでいます。2021年で自営農業に従事している人は約130万人、その平均年齢は約68歳です。新規就農者数は年間5万人強いますが、それを含めても、ここ7年の間に45万5000人も減少しています。毎年7万6000人ほどが減少していますから、このペースが続けば、あと20年足らずで農業従事者はゼロになってしまう計算です。 いせ・まさおみ/「国際派日本人養成講座」編集長 1953年東京生まれ。東京工業大学社会工学科卒。日本大手メーカーに就職後、社内留学制度によりカリフォルニア大学ハークレー校に留学。工学修士経営学修士(MBA)、経営学博士(Ph.D.)を取得。常務執行役員、イタリア現地法人社長などを歴任後、2014年よりアメリ現地法人社長。97年9月より、社業の傍ら独自に日本の歴史・文化を研究。国内にて執筆・講演活動に従事。公益社団法人国民文化研究会」理事、筑波大学非常勤講師も務める。 『Renaisance Vol.13』ダイレクト出版 「家族農業」こそ日本再生の道 伊勢雅臣氏より R050522