しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

家族のような「日本的経営」が、高度経済成長を可能にした

家族のような「日本的経営」が、高度経済成長を可能にした 経済復興の要因は、日本の会社の在り方にもありました。 『ジャパン・アズ・ナンバーワン アメリカヘの教訓』でも分析され、「日本的経営」と称されて評価されていますが、日本の会社は、社長以下従業員に至るまで家族のような関係性の中、共に一生懸命に働くことで運営されてきました。 日本人はそもそも働き者です。 働き者である従業員の一人ひとりの役割がつながって会社全体がうまくいく、というのが日本の会社でした。ここにも前章でお話しした「絡合力」があります。 古来、日本人の仕事観は「皆のために仕事をする」ということが基本となっています。なんでもかんでもカネで割り切ることなどできない、というのが日本人の美徳なのです。 昨今、日本の会社の運営は、株主総会が中心です。権力は株主総会に集中し、総会は取締役会によって取り仕切られます。 事項の決定は株主総会の多数決ないし、全会一致が原則であり、「現場主義」ではなく、「数字主義」による効率的・合理的判断がとられます。つまり、すべてカネで割り切られてしまうということです。 これは組織の構造上、仕方のないことでしょうが、伝統的な日本人の仕事観とは大きく異なります。 株式会社においては株主総会と取締役を設置しなければならないとする現行の会社法には、そもそもの日本人とは相入れない部分があるのかもしれません。 『かけがえのない国――誇り高き日本文明』 武田邦彦 ((株)MND令和5年発行)より R060113 75