しあわせみんな 三号店

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米国発グローバル種子企業の「ラストリゾート」

米国発グローバル種子企業の「ラストリゾート」 さて、グローバル穀物商社と同じように米国政府に大きな影響力を持ち、日本を「ラストリゾート」にしようとしているのが、グローバル種子農薬企業である。 彼らは「種を制する者は世界を制する」とばかりに、世界中で「モンサント法」と呼ばれる法律・制度体系を作ろうとした。これはモンサントなどの企業の種を賀わないと生産ができないように仕向ける法案で、中南米では猛反発を受け、インドでも大変な反発でモンサントの特許を認めないというような判決まで出た。 そこで、矛先が日本に向かったのだ。日本なら何でも言うことを間くから、ここで儲けるぞと言わんばかりに‥‥。日本は彼らの「ラストリゾート」になろうとしている。 まずは日本の種子法、公共の種。国が金を出して、県が米、麦、大豆の良い種を作って安く農家に提供するという従来の仕組みは、「こんなの駄目よね」と言われて、ほとんど審議もせずに廃止した(種子法廃止)。加えて国や県が持っている良い種は企業に提供せよという法律まで作ってしまった(農業競争力強化支援法8条4項)。平昌オリンピックで「日本のイチゴ苗が勝手に使われた」と怒っていた国が、米、麦、大豆の公共の種を企業に渡せという法律を作るとはどういうことか。 それだけではない。農家が一度買った種で栽培して自家採種すると、翌年から種が売れなくなってしまう。そのために種苗法を改定し、登録品種の自家採種を原則禁止としてし まった。こうして一連の流れを見れば意図がよくわかる。 国から「シャインマスカットを中国や韓国が勝手に栽培しているので、種苗法を改定しなければいけない」と説明され、「それはそうだ」と思った人は多かった。けれども、農家の方の自家採種によって種が海外に流出したという例は 一つもない。種苗法改定の根拠にはならないのだ。シャインマスカットを守れなかったのは、5年間のうちに現地で品種登録、商標登録しておけば取り締まれたのに、日本はそれをしなかったからである。だから、そうすればいいだけの話なのに、国民が賛成するようにそんな無関係の理由を持ち出した。しかし本当の目的は、種の知財権強化による企業利益の増大なのである。 『Renaisance Vol.13』ダイレクト出版 「食卓」が教える戦後史 鈴木宣弘氏より R050514