その食品、買う前に原材料表示を確認しましょう おにぎり、弁当、ハム、ウインナーソーセージ、冷凍食品、コーラ、お茶飲料、チョコレート、ガムなど実にさまざまな食品がコンビニやスーパーなどで売られていますが、これらはすべて2種類の原材料で製造されています。ひとつは、米、小麦粉、大豆、野菜類、果物類、洵藻類、砂糖、塩、しょうゆなどの食品原料であり、もうひとつが、着色料、香料、甘味料、保存料などの食品添加物です。 食品原料は、これまでの人間の長い食の歴史によって、安全性が認められているもので、皆さんが安心して食べることができるものです。一方、食品添加物はそうではありません。食品添加物が一般に使われるようになったのは第二次世界大戦以降であり、安全かどうかよく分からないまま使われている状況なのです。 厚生労働省は、使用を認可した添加物について「安全性に問題はない」と言っていますが、添加物の安全性は人間では確認されていません。すべて動物実験によって調べられているだけなのです。 しかも、動物実験で一定の粛性が認められたにもかかわらず、添加物として使用が認められているものも少なくありません。たとえば、赤色2号(赤2)という合成着色料は、アメリカでは、動物実験の結果、「発がん性の疑いが強い」という理由で使用が禁止されました。ところが、日本では今も使用が認められ、業務用かき氷シロップなどに使われているのです。 このほかにも、動物実験で発がん性や催奇形性(胎児に障害をもたらす毒性)が認められたり、血液に異常を起こしたり、腎臓に障害をもたらすなどの結果が得られているにもかかわらず、使用されているものがたくさんあるのです。 また、動物実験で分かるのは、がんができるか、腎臓や肝臓などの臓器に障害が出るか、血液に異常が現れるか、体重が減るかなど、かなりはっきりとした症状だけです。人間が硲加物を摂取した時の微妙な影評、すなわち、舌や歯茎の刺激感、あるいは胃が張ったり、痛んだり、もたれたりなどの胃部不快感、さらに下腹の鈍痛、アレルギーなど、自分で訴えないと他人には伝わらない症状は、動物では確かめようがないのです。 添加物は食べものとは異なります。石油製品などから化学的に合成されたものや、樹木や昆虫、細菌などから抽出されたものです。食べものは体を育む栄養になりますが、添加物の多くは栄養にはならず、体にとっては「異物」となり、体の機能を乱すおそれがあります。 なかには、まったく分解されず、休の中をグルグル巡るものもあります。環境中で分解されない化学物質は地球汚染を起こしますが、その慈味では、休内で分解されない派加物は、「人体汚染」を起こしていると言えるのでしょう。その典型が、ダイエット廿味料として、缶コーヒーやスポーツドリンク、コーラ、梅干しなど、多くの襄品に使われている合成甘味料のスクラロースとアセスルファム(カリウム)です。 これらは自然界にまったく存在しない化学合成物質であるため、体内で分解されることなく、血液に乗って全身を巡ります。そして、肝臓や腎臓など各種の臓器に影牌を与えていると考えられます。 最近アメリカのボストン大学の研究グループが、合成甘味料を含むダイエット飲料を飲む腎恨のある人は、飲まない人に 比べて脳卒中や認知症になる確率が約3倍も高まると発表しました。これはマサチューセッツ州のある町で住民約4400人の食生活と脳卒中および認知症との関係を分析して分かったものです。スクラロースについては、動物実験でそれが脳にまで入り込むことが分かっています。そのことが今回の調査結果と何らかの関係があるのかもしれません。 添加物を監督している厚生労働省は、消費者の健康より業者の都合を俣先させている面があります。問題のある添加物の使用が禁止されると、アメリカや日本の企業のなかには営業活動が困難になってしまうところが出てきます。それを回避するため、使用を認め続けているのです。この状況は、添加物が盛んに使われるようになった1950年代以降、ずっと続いているのです。 また食品企業は、利益を上げることを常に第一の目標にしています。そのため、消費者の健康よりも製品が売れることを優先させてしまいがちです。その結果、安易に添加物を使ってしまい、安全性の不確かな製品が数多く出回ることになってしまうのです。 したがって、消費者は、自分の健康、そして家族の健康を守るために自衛していかなければなりません。簡単に言うと、発がん性がある、あるいは肝機能や免疫力を低下させるなど、危険性の高い添加物を含む食品を買わないようにすること、それが自衛になります。 コンビニやスーパーなどでのお買い物の際に、本書が読者の皆さんのお役に 立つことを願っております。 2017年5月 渡辺雄二 『加工食品の危険度調べました』渡辺雄二著 三才ブックス社刊 加工食品の危険度調べました
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