しあわせみんな 三号店

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●ダイオキシン対策のために使われた費用の莫大さ

ダイオキシン対策のために使われた費用の莫大さ ダイオキシンの騒ぎが起こった直後、多くの自治体はごみ焼却炉をお金をかけて改造した。どういう改造をしたかというと、焼却炉を燃やしている時にはあまりダイオキシンは出ないのだが、ちょうど運転を止める時に温度が下がってくるので、その時にダイオキシンが生成される。そこで非常に速い速度で炉を冷やす装置を取り付けたりした。 ダイオキシンのために焼却炉を改造する、それに国が用意したお金は毎年600億円~1800億円に上った。それが10年以上続き、必要もない施設に巨額の税金が投入されたのである。

図表2-8は国庫補助額の「本当の図」、図表2-9は「公表され ている図」である。真実と偽装を比較するために用意してみた。ダイオキシン対策に国は95年から毎年600億円~1800億円もの税金を使ってきたが、それを直接、国民がわかるのはまずいと考えたのではないだろうか。

焼却とガス処理を別々の棒グラフにした。そうすると経費が分割されるので見かけ上は金額が少なく見える。次に、600億円と書けばいいところを60と書いて、単位を10億円にする。そうするとパッと見ると10分の1程度に見える錯覚効果がある。 まことに芸が細かい。 そこまで勘ぐるのはどうかと思う人もいるだろう。しかし、環境関係のデータを見続けている筆者にとってはどれもこれも似た加工が施されているように感じる。いい加減にしてほしいと言いたいぐらいわかりにくい数値ばかりである。民主主義国家ならば国民にわかって貰うのが大切なはずなのに、何とか国民に正しいことがわからないようにと一生懸命な様子に映るのである。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230809  91