しあわせみんな 三号店

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● 環境運動が日本の火災を増加させた?

● 環境運動が日本の火災を増加させた? 環境運動は、 ① 声が大きいか、 ② 利権団体か、 ③ 元気な人か、 でなければなかなかできないのが現状だ。弱い人やお年寄りの声はなかなか届かないし、反映されない。 もう一つの例が火災の犠牲者である。 日本は木造建築が多いこともあり、火災が多い。年間で6万件以上あり、死者は2000人を超える。今から50年ほど前は年間で僅か500人ほどだったのに、約4倍に増えている。社会は進歩しているはずなのに逆に死者は増えている。

その原因は何か。 環境問題が盛んになって「塩ビ(正しくはポリ塩化ビニル)」「ハロゲン化合物」は毒性が強いということになった。ダイオキシンはハロゲン化合物の中でも特に毒性が強いと言われたが、それでもほとんど無害だった。 「塩ビ」と言われるプラスチックは他のプラスチックと比較して特に環境を汚すものではない。それなのにダイオキシンDDTの騒ぎの中で「塩ビ」は毒物に仕立て上げられた。 そして、それまで同時に使われていたハロゲン化合物を使ってプラスチックや繊維を燃えにくくしていたハロゲン化合物も追放されたり、使うことを制限された。特に、環境に優しいことをPRして会社のイメージを上げようとしている会社が、「我が社はハロゲンを使っていません」と宣伝し、それで点数を稼ごうとしたことも響いた。 一方、ハロゲン化合物は火災を防ぐためにはとても優れた物質である。だから塩ビの排斥運動が始まるまでは、ハロゲン化.合物を使って火災を防いでいた。 現代社会での火災は家電製品などが原因になるので、家電製品には必ずハロゲン化合物が含まれ、また壁紙などのように火災時に燃えやすいものは塩ビでできていた。 それが「塩ビは環境を汚す」ということで追放され、家電製品も壁紙も繊維も燃えやすいものに代替されていった。その結果、火災は増え、あるいは火災防止の技術が進んでも燃えやすいものを使うから火災が減らないという状況に陥った。 有害でもないものを毒性があると騒いで追放し、そして火災の犠牲者を増やすということが続いているのである。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230916  187