しあわせみんな 三号店

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あとがきに代えて ―――日本人の宗教観は世界一

あとがきに代えて ―――日本人の宗教観は世界一 本書の最後に、私たち日本人の「宗教観」についてお話ししたいと思います。 宗教という単語自体はヨーロッパの宗教を指したものであり、その意味でいえば日本の宗教は海外の宗教と別物です。そのため日本人の多くは「あなたの宗教は何ですか?」と問われると「無宗教です」と答えるのですが、それは間違いです。 ヨーロッパで言うところの宗教の概念と日本の宗教の概念が違うため、日本においてヨーロッパ流の信教をしていないというだけのことです。 日本には日本なりの神とのかかわり方があって、その時に日本人の宗教観を表現するのに適した日本語がないというのが実際のところなのです。 世界の宗教は、一神教多神教に大別できます。 ユダヤ教キリスト教イスラム教などの一神教は、神様が一人。エジプトやギリシャなどのように、多神教は多くの神様がいます。 では日本でいうところの「八百万の神」が多神教なのかというと、実はこれも違っています。そもそも日本でいう神様と、他の宗教でいう神様は概念からして異なります。

ギリシャ神話で海の神様といえばポセイドンになりますが、日本の場合はそのような具体的に名前のついた神様がいるわけではなく、海そのものを神様として敬います。抽象的な概念としての神様であって、具体的な神様がたくさんいる多神教とは異なるのです。 山、海、川、キツネ、サル、クマ、イネ‥‥といった「自然」のすべてが神様であり、それを祀(まつ)っています。これは「自然から私たちができている」という考えが日本人の根本のところにあるためです。自然がなければ大地もないし食べ物もないので、「自然が私たちをつくっている」という認識をするのです。 『「新型コロナ」「EV脱炭素」「SDGs」の大ウソ』武田邦彦著 ビジネス社刊 20240508 P209