しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

●ペットボトルの販売量は飛躍的に増えたが、再利用は増えていない

ペットボトルの販売量は飛躍的に増えたが、再利用は増えていない 再び、先ほどの図表1-1を見てみよう。 まず第一に、ペットボトルのリサイクルは大量消費をさらに加速した。これは消費量の増加でハッキリわかる。 環境団体が言っていたようにリサイクルするということでみんなが安心してしまう。なにしろ消費者にとっては「リサイクル」も「ポイ捨て」も同じなのである。飲み終わったペットボトルをごみ箱に入れればポイ捨て、その隣にある「リサイクル回収箱」に入れさえすればリサイクルだから、苦労はない。 リサイクルするといっても一人ひとりが自分自身でリサイクルするわけではない。誰かがやってくれる。 だから、みんなごみの心配もなくなってペットボトルを気軽に使い出し、その販売量は4倍に増えた。 では、資源は「有効に利用」されたのだろうか。 図表1-1の一番下に這うような黒三角の線があるが、これが材料として再利用されたペットボトルの量である。まった<再利用されていないというわけではないが、法律をつくり、みんなに強制したのに3万トンぐらいしか再利用されていない。 実に少ない。 ペットボトルの販売量が51万トンなのに、再利用が3万トンである。リサイクルする前の販売量が12万トンだから、リサイクル開始後に増えたペットボトルが約40万トン、再利用はたったの3万トンだ。実にバカらしい。 それでも公的な機関は「リサイクルしています」「日本はリサイクルの優等生です」と公言している。これには実は理由がある。 後で詳しく説明するが、リサイクルをしていると言うとお金が貰える。そこで消費量もごみも本当は増えているのに「リサイクルして資源を節約し、ごみも減っています」とウソを言っている。 つまり、ペットボトルのリサイクルは、(1)資源を節約し、(2)ごみを減らし、(3)資源をもう一度使う、と喧伝されてきたが、事実は、(1)資源を7倍使い、(2)ごみが7倍増え、(3)資源はほとんど再利用されていない、というのが実態なのである。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230706