しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

職業選択の理由は「好き」だけで十分なのです。それにお金が入ってくると人はおかしくなります。

職業選択の理由は「好き」だけで十分なのです。それにお金が入ってくると人はおかしくなります。 11月23日は元々は新嘗祭という、その年の収穫に感謝して新穀を神様にお供えし翌年の豊穣を願う日でしたが、戦後日本に進駐したGHQ天皇陛下宮中祭祀としての新嘗祭と国民の行事を切り離すという意向により昭和23年に勤労感謝の日という名称に改称され、感謝の対象は神様から働くすべての労働者に変わりました。そんな勤労感謝の日に、秋田県鹿角市で小学生を対象にした仕事を体験できる催しが開催されたというニュースがありました。 このイベントは児童が警察官や医師、それに小売店の販売員などさまざまな職業に就いて社会の仕組みを学ぶもので、会場には特産のリンゴを売る店をはじめとした小売店や交番、それに医療機関など全部で27の仕事を体験できるブースが設けられました。そこで参加したおよそ120人がそれぞれ一所懸命に働き、仕事を終えると会場でのみ使える通貨が「給料」として支給され、それを子どもたちは買い物に使ったり税務署で納税したりして社会の仕組みを学びました。 “お金”というと「親やおじいちゃん、おばあちゃんからもらうもの」としか思っていなかった小学生が労働の対価としての「給料」を初めて意識したであろう今回の試みはさぞかし有意義なものだったことでしょう。小学生に将来なりたい職業を聞くと「サッカー選手」「お花屋さん」「お菓子屋さん」などいろいろな答えが返ってきますが、「その理由は?」の答えは「カッコいいから」「お花が好きだから」「ケーキがすきだから」と全員が「好きだから」です。なにしろ彼らにはこれから何にでもなれる無限の可能性がありますから、職業選択の理由は「好き」だけで十分なのです。 それが中学高校になると「儲かりそうだから」「楽そうだから」と、それまでとは違ったよこしまな要素が入ってきます。さらに「なりたい職業」が商売人の子供など「ならなければならない職業」となることもあります。その最たるものはやはり医者でしょう。医者は高給取りの代表格ですから親がぜひ息子にも継がせたいと思うのです。そのため医者の子息は小さいころから「お前は医者になるんだ」と言い聞かされますが、いかに親が必死になろうと医者になるには国家試験に合格しなければなりません。それこそが世襲によるヤブ医者乱造に一定の制御をかけているのです。 それに比べて日本におけるもうひとつの家業となってしまった政治家の場合は厄介です。政治家にはどんなぼんくらでも票さえ集めれば試験なしでなれます。そしてその集票に大きく影響するのが「地盤」「看板」「鞄」です。先祖代々その選挙区で固めた後援会組織と売ってきた名前、さらに税制上優遇される豊富な資金を丸々受け継いでの選挙戦は、それがない候補者よりはるかに有利になります。こんな不平等で国益に反するシステムは即刻改正しなければなりませんが、議員の給料、選挙制度を決めるのが“議員”なだけにこの既得権益を絶対に放そうとはしません。その結果が、外遊に行けば公用車で買い物三昧、官邸内の極秘情報を夜な夜な仲良しの女性記者に伝える(ちなみにこれを『官邸!ナイトスクープ』と言います)、挙句の果てに首相公邸での大はしゃぎで総理秘書官をクビになったあのバカ息子も将来的には何食わぬ顔をして国会議員になると思うと情けない限りです。 百田尚樹のニュースに一言 令和5年12月1日号より