しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

西洋の社会システムを真似ると不幸になる

西洋の社会システムを真似ると不幸になる 産業革命は19世紀の前半には成熟期に入り、その中心的存在だったイギリスは1870年代まで世界最大の工場国として君臨しました。当時のイギリスは世界で最も豊かな国だったはずです。 ところが国民の生活が豊かになったかと言うと、けっしてそうではなかったようです。 霧の都ロンドンの「霧」は、かつてはメキシコ暖流による湿度の高い空気から発生していたものでしたが、産業革命以後は工場の煤煙(ぱいえん)を原因とする、いわゆるスモッグに取って代わられました。 工場から排出される煤煙や排水で環境汚染が進み、労働者は公害の街に住み、生産カの向上だけを追求する計画に組み込まれ、過酷な労働を強いられていました。 1848にマルクスとともに『共産党宣言』を発表して資本主義を徹底的に批判することになるエンゲルスは、1845年に発表した『イギリスにおける労働者階級の状態』という論文で、イギリスの労働者の生活を次のように描写しています。 「貧民には湿っぽい住宅が、即ち床から水があがってくる地下室が、天井から雨水が漏ってくる屋根裏部屋が与えられる。貧民は粗悪で、ぼろぽろになった、あるいはなりかけの衣服と、粗悪で混ぜものをした、消化の悪い食料が与えられる。貧民は野獣のように追い立てられ、休息もやすらかな人生の楽しみも与えられない。貧民は性的享楽と飲酒の他には、いっさいの楽しみを奪われ、そのかわり毎日あらゆる精神力と体力とが完全に疲労してしまうまで酷使される」 明治維新期の日本は、このような西洋を見習おうとしていたのです。今でも、こうした勘違いは変わりないのかもしれません。 『かけがえのない国――誇り高き日本文明』 武田邦彦 ((株)MND令和5年発行)より R060117 86