しあわせみんな 三号店

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ウソ13 電気自動車やバイオ燃料は、国のCO2排出を減らす

ウソ13 電気自動車やバイオ燃料は、国のCO2排出を減らす 【事実】 減らす要素は何もない。バイオ燃料やバイオ系素材は、確実にCO2排出を増やす。 冷静な論調が気に入って、産経新聞を購読してきました。でも最近は、とりわけ経済面に、おかしな記事が増殖中です。CO2の排出を環境負荷、排出削減(脱炭素)を親境対応や環境配慮(環境にやさしい)とみる、理系の身には理解不能な記事の類。二〇二〇年一〇月に菅(すが)総理(当時)が、「二〇五〇年のCO2排出ゼロ化」を所信表明で口にされ、一年後のCOP26で岸田総理がそんな「約束」をなさったせいでしょう(ウソ10)。 二〇二一年末~二二年春に出た記事の一部を紹介すると、 ① 木造家屋はCO2をためているので脱炭素の実践例だ、 ② 大麻(!)を建材などに使えば脱炭素が果たせる、 ③ 客室に竹製の歯ブラシを置くホテルは環境にやさしい、 ④ ベルトの素材や文字盤のインクを工夫した「環境配慮の腕時計」……… と爆笑モノのオンパレード。肉のかわりにコオロギを食べて「温暖化解決」、という二〇二一年一二月五日のコラムには鳥肌が立ちました。 大半はCO2排出を増やすでしょうが、排出量の増減より大事なことがあります。一〇〇兆円を使っても、二〇年間に 地球をほとんど冷やせない(ウソ11)。①~④も「コオロギ」も、琵琶湖の水をお猪口(ちょこ)に汲んで、「ほら水面を下げただろ」と胸を張るに等しい、小学生にも笑われる話ですよ。 経済オンチが想像するに、そういう記事が関連企業の株価を爆上げし、誰かが濡れ手に粟(あわ)の大儲けをする………という力学が本質なのかもしれません。 ときたま冷静な記事に出合えばホッとします。二〇二二年二月一三日科学欄の子ども向け解説「EV時代どうなるの?」は、「走行中はCO2を出さなくても、製造時のCO2排出量がエンジン車より多いかも」とか、「これからどんどん普及するかは疑問」など、慎重なトーンが光っていました(産経の社内も一枚岩ではないのでしょう)。なおEVの「走行中は………」を「発電中は………」に置き換えたものが、前章に述べた「再エネ」の素顔ですね。 というわけで、まずはEV(電気自動車)を考えましょう。 「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)