しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

本来の意義

本来の意義 バイオ燃料の意義は、大気汚染の防止や緩和です。それ以上でも以下でもありません。 石炭も石油も生物由来だから、硫黄分を含んでいます(ウソ8)。燃料の脱硫がまだ十分ではなかった時代、エンジン内で燃えるガソリンは二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を生じ、それが大気汚染を起こしました。そこでブラジルは一九七〇年代、サトウキビなどをアルコール発酵させて得た硫黄分ゼロのバイオエタノールをクルマに入れ、汚染のひどいサンパウロなどの空気をきれいにしています。ただし原料にサトウキビ(やトウモロコシ)など作物を使うのはもったいない。大切な作物は、食糧に回すべきでしょう。 むろん大気の浄化が眼目だから、コスト(CO2発生量)は度外視でした。大気汚染がまだひどい途上国では、CO2削減に効かないEVも、大気の浄化には役立つはず。 しかし最近バイオエタノールを論じる文章の大半は、汚染ではなく「気候変動対策」をキーワードにしているようです。それが審査担当者の目に触れる結果、研究費獲得の確率が上がったりするのでしょうが(ウソ9)、あさましい根性だと思います。 「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)