しあわせみんな 三号店

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カーボンニュートラル幻想

カーボンニュートラル幻想 ニュートラルは「差し引きゼロ」のことだから、カーボンニュートラル(別名「脱炭素」)という語は本来、大気にCO2を増やさないこと、つまり「化石資源を使わない」ことを意味します。一九九七年のCOP3(京都会議)で決めた排出量取引のような、「札束で帳消しにする」話ではありません。しかし近ごろ流行のカーボンニュートラルは、どうやら排出量取引と似た「帳尻合わせ」にすぎないため、化石資源の寿命は延ばしてくれないでしょう。カーボンニュートラルにいちばん近いのは、薪の燃焼です。絶妙な光合成を通じてCO2からできた植物体を酸素と反応させ、原料だったCO2を大気に戻す。江戸時代までは(山陰の田舎なら昭和時代も)そうだったし、途上国の一部はいまなおそれをやっています。けれど現代の日本では、薪の収集や運搬に軽トラックを使い、ときにはチェーンソーで枝を払ったりする。直接間接に必ず化石資源を燃やし、その枯渇を早めるのです。 ユートピア(ありえない状況。ウソ11)でしかないカーボンニュートラルをもてはやす方の神経が、私にはさっぱり理解できません 。 「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)