しあわせみんな 三号店

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逆向きの報道

逆向きの報道 国連のIPCCは、「民の心をつかむため、暗い未来を語る」(ウソ8)を哲学に、CO2の排出削減を諸国に促す集団でした。ニュース番組や特集で温暖化を扱う際のNHKもそんな調子で、恐ろしげな動画を視聴者に突きつけ(ウソ1)、うわべだけCO2が出ない太陽光発電風力発電(ウソ12)、EVやバイオ燃料(ウソ13)を、「脱炭素への一歩」と絶賛します。二〇二二年の四月中旬には、EV一〇〇台分の電池で東京湾内を動く「CO2を出さない世界初の電動タンカー」を大きく紹介していました。 総務省の監督を受ける組織としてNHKは、政府の意向になびくのでしょう。けれど政府の意向には、あと一本の柱があります。経済の活性化です。経済が活性化すれば、飛び交うお金がエネルギー消費(CO2排出)を増やすため、脱炭素と経済活性化は絶対に両立しない(矛盾する)。番組の制作ご担当がそこをどうお考えなのか、私にはよくわかりません。 たとえば二〇二二年の初めには、秋田沖など三か所に計画中の洋上風力発電を取り上げました。冒頭で「気候変動対策」という語を 一度だけチラリと出しながら、三分間の番組中では気候の「き」も言わず、大型火力一基分、一〇〇〇万キロワット設備の建設に使う総額一五兆円が九万人の雇用を生んで、産業が活性化し、地域経済が元気になるのだと強調しました。別の折りには、削減の(あやしい)試みを称えた直後に、CO2排出を絶対に増やす某市の盛大なイルミネーションとか、某企業の業績拡大を称えています。 気候変動・脱炭素を、経済活性化と同じ重みで扱うのは、制作陣が先ほどの矛盾を認識していないからでしょうか? これからはぜひご認識いただき、大切な経済活性化の話を大きく扱うのはご自由ですが、気候変動などは「政府が言うからやむをえず」、軽く触れるだけにしていただきたい……と一視聴者は願っています。 「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)