しあわせみんな 三号店

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●地球温暖化で一体、我々はどうすれば良いのか

地球温暖化で一体、我々はどうすれば良いのか 地球が温暖化して極地の氷が溶けても心配ないのなら、地球温暖化など心配しなくてもいいのだろうか。 これほど多い誤報の中で生活していると「それでは、地球温暖化でどうすればいいのか」と訊かれても国民は即答できない。 なぜなら、前提となる情報自体が間違っているのだから。 そこで少し落ち着いて「地球温暖化を防ぐためにはどうすればいいか」「一体、地球温暖化は防がなければならないものなのか」の二つに分けて論点を整理したいと思う。 地球温暖化二酸化炭素のような「温室効果ガス」が原因と考えられている。人類が誕生してから長い間、人間は自然と調和しながら生きてきたが、200年前から、石炭や石油を燃やして熱や電気を取り出し、それで生活をするようになってきた。石油や石炭は炭素と水素でできているので、それと空気中の 酸素が結合すると二酸化炭素と水ができる。だから石油や石炭を燃やした分だけ必ず二酸化炭素が生まれる。 もともと石炭は大昔の植物の遺骸、石油は動物の遺骸だから、もう命はないとはいえ、石炭や石油は樹木や動物を燃やしているのと原理的に変わりはない。 そして、燃やして出てくる二酸化炭素や水は、原則的に大昔の二酸化炭素や水と同じ量が出る。つまり「燃やす」ということは「生物がいなかった昔の状態に戻す」ということでもある。 それでは、何の問題もないのではないかとも思うが、そうではない。石炭や石油は何億年という長い時間をかけてつくられてきた。それを今の人類は200年で使い尽くすと言われている。例えば、2億年かけてつくられたものを200年で使うとすると、その倍率は実に100万倍である。 地球の空気の中にある二酸化炭素を2億年かけて植物の体に移し、それを200年で戻そうとしているのである。やっていること自体は問題がないが、そのスピードが速すぎ、その量があまりに巨大すぎるというのが地球温暖化問題の本質である。 地球温暖化の原因は二酸化炭素ばかりでなく、第一に太陽の活動があり、第二に大気中の水蒸気や天然ガス、亜酸化窒素やフルオロカーボンなどが挙げられる。 「温暖化係数」という係数があって、同じ量でどのぐらい温暖化に寄与するかを調べると、メタンは二酸化炭素の20倍、亜酸化窒素は300倍、そしてフルオロカーボンはものによっては 1000倍のものもある。そこで、二酸化炭素に注意するのも良いが、他のものの方が大切だという意見も出る。 しかし、その他のものも石油が原因となっているから、地球温暖化の原因は二酸化炭素だと単純化してもそれ程間違いではない。そのため「二酸化炭素を減らすにはどうしたらよいか」という問題を解決することが次のテーマになる。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230825  135