しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

「男子厨房に入らず」は、女性の役割を讃えたもの

「男子厨房に入らず」は、女性の役割を讃えたもの 人間の場合、男女協同の子育ての技術や仕組みはかなり進んできています。最近では、ビル・ゲイツも投資対象としているということで「BioMilq」(バイオミルク)と名付けられたアメリカの人口母乳が話題になっていました。 胎児を宿して出産することはメスにしかできず、母乳を与えることもまた本来はメスにしかできない作業です。 人間の場合は特に、生まれた子供を抱き温めて慈しみ、授乳の際には子供が母親の乳首に吸い付く、この時のコミュニケーションがたいへん重要です。 母親の感情を通して言語を身に付けていく過程として、子供の成長になくてはならないものなのです。 この時期の女性の脳はおのずと愛情深くなり、感情が細やかになり、言語能力も研ぎ澄まされている状態となります。 全身全霊を込めて、子供を身ごもり、守り、育み、出産し、お乳を与えて慈しむ女性の能力は男性にはない能力であり、一連の作業は女性にしか決してできないことです。 一方、男性は筋肉をつけ、俊敏な動作と論理的な思考力を磨き、女性と子供を全力で守ります。 哺乳類には、こうしたオスとメスの分業によってこそ進化してきたという生物学的な背景があります。 古来、日本ではこうした男女の特性に見合った棲み分けが行われていました。日本人には、「男と女では役割が違う」という共通認識が根底にありました。それぞれの役割によって男女が合理的に日常生活を送れるよう、社会的な分業が確立され続けてきたのです。 本来、男性は力が強く、乱暴です。だから、外敵から家族や仲間を守る戦闘的な仕事、農業や狩猟、モノを生み出す仕事や鍛冶などの力仕事を行います。これが男の役割というものです。 それに対して、女性は家庭の全権を持っていました。 女性は男性をサポートしつつも管理します。子供を慈しみ育てながら、男性が効率良く仕事ができるよう合理的に家庭を運営します。 「男子厨房に入らず」という言葉は、性差別などといったこととは関係ありません。 「夫の好きなものをたくさん食べさせてやる気を出させる」「仕事で嫌なことがあってむしゃくしゃして帰ってきても、楽しい思いをさせていい方向に持っていく」など、夫に毎日気分良く仕事をさせて出世させるように盛り立て、稼ぎをしっかり管理して家庭を釆配するといった女性の役割を讃えたものです。 夫の仕事の出来具合は、すべて妻の采配次第です。日本女性の社会的な役割は、家庭内においての「社長」のようなものなのです。 『かけがえのない国――誇り高き日本文明』 武田邦彦 ((株)MND令和5年発行)より R051229 40