しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

第一章 新型コロナ禍でわかった「専門家」の堕落 専門家がダメになった

第一章 新型コロナ禍でわかった「専門家」の堕落 専門家がダメになった 私たちは日本の民主主義の下にいて、選挙権があり、自由に情報を得ることもできて、自分で自分の人生や日本の将来に ついて判断していると思っていますが、ほとんどの場合はマスコミに情報を握られていて、そのとおりに誘導されています。 ではなぜそんなことになってしまったのか―――。一番の原因は、専門家がダメになったことです。 専門家という存在は、自分の専門領域においてしっかりとした理論やデータに基づいた考えを持ち、その考えは世相が変化しても一切変わらないということが基本になければいけません。 しかし、今回の新型コロナウイルスに関しては、専門家の主張(考え)がどんどん変わっていきました。 酷かったのは「マスク」の問題です。

新型コロナが流行する以前、日本では風邪やインフルエンザの患者は合わせると、およそ4千万人もいました。毎年、人口のだいたい3分の1が風邪かインフルエンザにかかっていたわけです。それでも冬場にマスクをしている人は、諸外国よりは多いとはいえ少数派でした。 ところが新型コロナが流行しはじめてからは、新型コロナも風邪やインフルエンザもまったく同種のウイルスによる感染症であるにもかかわらず、マスクを着用することが当然のようになりました。日本社会はいつの間にか「新型コロナ対策」「マスク着用」ということになってしまったのです。 そのうちに、一般の人々のなかに“マスク警察”なる者まで現れました。警察でもない一般人が、電車内や路上でマスクをしていない人を見つけると「お前、どういうつもりなんだ!」などと憫喝し、時によっては身体的な恐怖に陥るような脅しをするようなことが行われました。 最近では、本人がマスクをしていないのに、マスクをしていない人に向かって「マスクをしろ!」と怒鳴った例もありました。一度誠実さが欠けると、それが増幅してあらぬ方向にいった例でしょう。 『「新型コロナ」「EV脱炭素」「SDGs」の大ウソ』武田邦彦著 ビジネス社刊 20240302  P31