しあわせみんな 三号店

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科学者が意見を変える時は、根拠となるデータが不可欠

科学者が意見を変える時は、根拠となるデータが不可欠 専門家の意見が2020年2月から4月の2カ月間で「マスクをしなくていい」から「マスクをしなさい」へ変わったということは、その間に新しい画期的なデータ(マスクをするべきだとするデータ)が出てきたということでなければなりません。しかし、そういったデータは出てきませんでした。 NHK理化学研究所に依頼して、最新鋭のスーパーコンピュータ「富岳」を使い解析をしたところ、マスクの効果があることがわかった―――という内容の番組が放送されました。私もその番組を観ましたが、きちんとした学術的な説明はありませんでした。 安倍置三首相(当時)がマスクを配布していたころです(「アベノマスク」などと椰楡(やゆ)されていましたが)。 布製マスクの場合、マスクの孔の大きさは0.1マイクロメートルぐらいになります。 ウイルスの大きさは、0.1マイクロメートルぐらいなので、マスクの孔はウイルスと比べて300倍にもなるのです。それでウイルスの侵入を止められるでしょうか。 たとえば、蚊が家に入ってくるのを防ぐ網戸。蚊の大きさがだいたい5ミリぐらいに対して、その300倍の1.5メートルの孔では、蚊の侵入を防げるはずがありません。2枚、3枚と重ねたところで無理なものは無理です。 (下の写真(日本製不織布マスクの顕微鏡写真)の真中の黄色い点は、飛沫の大きさです。ウイルスは、その100分の1ほどの大きさです。) もうひとつマスクには問題があります。 ウイルスに感染した人が咳やくしゃみをした時に、ウイルスそのものが感染者のロから飛び出してくるわけではありません。咳といっしょに吐き出された唾の中にウイルスがあるわけです。 唾の飛沫(ひまつ)は大きいので、飛沫をあびても30ミクロンの孔のマスクでも止まります。 ですが、当然その唾はマスク表面の布に吸着します。つまり、ウイルスは唾といっしょにマスク表面の布にペタっとくっつくのです。 その状態のまま呼吸をしていると、布にくっついた唾の水分が蒸発し渇いてきて、ウイルスが動けるようになります。そして、そのウイルスが粗い孔の目から口内まで侵入してくるわけです。 マスクの面積は口のサイズの10倍以上ありますから、マスクを着用することによって、マスクをしない状態よりも感染者の唾を10倍以上受け取ることになります。そして呼吸をしているうちにウイルスが少しずつ口の中に入ってくる。 つまり、マスクをすることで逆にウイルスが侵入しやすくなって感染が増えるかもしれないのです。 しかし、ここで検証したいのはそういった物理的なことよりも、新型コロナにまつわる一種の道徳的なことです。専門家の倫理と言ってもいいでしょう。専門家は自分の言ってきたことを変える時にはきちんとその根拠を示さなければいけません。 前述したように、東京都の医師会は当初「マスクをしても効果はない」と都民に対して呼びかけていたのですから、その説を変えるのならば何が変わったのか―――その理由を説明する必要があります。残念ながらそれが今回はありませんでした。 マスク着用を推奨したことによって、“マスク警察”などが現れるような状況を社会的につくったのであれば、専門家や医師たちの罪は非常に大きいといえるでしょう。 『「新型コロナ」「EV脱炭素」「SDGs」の大ウソ』武田邦彦著 ビジネス社刊 20240306  P41