しあわせみんな 三号店

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カタチの茶番

カタチの茶番 現地に出向いたわけではないためNHKと新聞 、ネット情報をもとに、二〇二一年の一○月三一日から一一月一三日まで二週間、スコットランドグラスゴーで開催されたCOP26のありさまを振り返ります。 参加者は、メンバー国の代表者(二万人以上。最多のブラジルが約四八○人!)、国連の関係者、各国の閣僚、企業関係者、環境活動団体、メディア人からなり、総数は約四万人でした。 その大半が、大量のCO2を吐く飛行機で往復したはず。閣僚クラスなら、座席ゆったりの政府専用機だったでしょう。なお岸田総理には初の外遊機会となり、会場で「決意表明」をぶたれたあと、現地滞在わずか八時間で帰国の途につかれています。 集会に使う大きな会場は莫大な電力を使い、発電所で相応のCO2を出しました。会場とホテルを往復するバスも、道中でCO2を吐く。ホテルでも電力を使い、ふつうは豪華なディナーが提供されるらしいため、食材や飲料の調達・廃棄などでも大量のCO2が出たでしょう。CO2排出の減らしかたを話し合うはずの集会ですよ! 議長国が叩き台の文書をつくり、郵便で意見を交わすのがベストでは? それをまどろっこしいと思うなら、いまのご時世、せめてリモート会議にすればよろしいでしょう。 それにしても、グラスゴーに群れた四万人のうち誰ひとり、そうは思わなかったのでしょうか? 会議のカタチを問題視したメディア報道は見たことがありません。むろんCOP26だけ でなく、先立つ二五回もほぼ同じ茶番でした。 COP26には日本から数人の高校生と大学生も参加したようで、気づいたかぎり、それを翌二〇二二年の初めにNHK毎日新聞が報じていました。やけに気合いを入れたとおぼしいNHKは、現場取材ばかりか、『気候危機を食い止めたい! 若者たちが挑む COP26』という、いかにもな題名の特集番組さえつくつて地上波(初回一月一○日)とBSIスペシャル(初回一月二七日)で流し、ビデオ版がネット書店で販売もされています。さすがに「絵」で勝負する業界、女子高生の涙ぐむシーンが印象的でしたね。 若者たちは現地との往復に、手漕ぎボートや長距離列車ではなく飛行機を使ったはずだから、そこそこ裕福な(CO2排出量の多い)家の子なのでしょう。CO2排出が問題だと思うなら自宅から出ず、電気で働くテレビもネットも見ずに新聞を読み、(考えたければ)じっくり考えればよろしいのでは? まぁ最大の問題は、そんな若者をヒーロー・ヒロインに仕立て上げ、愚かな映像を垂れ流すNHKの姿勢ですけれど。 気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)