環境破壊 大規模な「再エネ」発電だと、太陽光パネルを敷き、風車を建て、送電線を引くとき、森林や草原を更地にします。景観を壊すばかりか、保水力を落として水害を増やしたりもする。そんな暴挙に反対する住民運動が、全国で増えてきました。やや旧聞ですけれど、本質を突いたルポだと思うので、二〇一八年五月三〇日の毎日新聞・大阪版朝刊に載った記事の一部を紹介しましょう(『狂騒曲』5章から部分的に転載)。 岡山県北東部にあり、緑豊かな山が広がる美作(みまさか)市。東京のエネルギー会社が………二五七メガワットのメガソーラーを建設するため山を切り開いている。………「古里の水が汚されて悲しい」。地元で農業を営む男性は憤る。男性らは昨年二月、工事を許可しないよう約一二五〇人分の署名を県に提出した。だが許可は出され、三か月後に工事は始まった。雨が降ると土砂が川に流れ込み、畑の貯水タンクは泥で詰まるようになった。野菜は生育不良になり損害は数百万円に 上るという。……… これもおぞましい話です。お金のにおいをかぎつけた人たちが、「環境を守るため」と言いながら、自然環境を壊しているわけなので。 「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)