被爆を避けるために重要なのは「距離」ではなく「風向き」である
仮に近くの原発にもしものことがあって、逃げなくてはならない状況になってしまったら、現在の風向きを調べるのが先決。 たとえば愛知県名古屋市の場合は、静岡県の浜岡原発よりも福井県の敦賀原発に注意しなければならない。福島第1原発のような事故が起きれば、偏西風に乗って、名古屋はもとより東京にも大被害を及ぼす可能性がある。チリのような放射性物質は、風に乗って風下へ流れ、雨などとともに地表に降り注ぐ。 もっとも、福島第一と同規模の事故が福井県の原発14基のどれかに起これば、日本は壊滅するだろう。その選択肢は、日本人としてあり得ない。 『反被爆宣言』武田邦彦著 双葉社刊 2012年 より