しあわせみんな 三号店

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山で激増する鹿 ぜひ有効活用を!

山で激増する鹿 ぜひ有効活用を! 「鹿を殺すなんて、かわいそう」。女性を中心にそんな声は多い。が、日本の山では今、激増した鹿による木や樹皮の食糾で林業が脅かされているばかりか、下草が失われ、表土が流出し、士砂災害の一因にもなっている。 原因は ① オオカミの絶滅やハンター減少による天敵の減少 ② 人の手が入らない里山の増加によって奥山から鹿が出てきている ③ 温暖化に伴う降雷減による冬を越せる鹿の増加 などが考えられている。 環境省によると、本州以南の鹿の頭数は2014年のピーク時で約255万頭、2020年には少し減少したものの218万頭(ともに中央値)と椎測されている。国も「10年間で頭数を半減させる目標(※)」を立てるなど捕獲の強化に乗り出してはいるが、その生息エリアは1978年度から2018年度までの40年間で約2.7倍に拡大していることも明らかになっており、さらに拡大の一途をたどっている。

私自身、鹿の苦手な植物だけが残った森林や、皮を剥がされて無残に白い幹を曝す木々を全国各地で目にしてきた。手をこまねいていれば、生物多様性は失われ、禿山だらけになってしまうかもしれない。 ここでもうひとつ大きな課題がある。撃たれた鹿の多くが山に埋められ、食肉化されているのは僅か1割に過ぎないのだ。命を頂いた立場としては、いかがなものか。 積極的に食肉として活用する気運を作っていきたい‥‥そう願うものの、「野生動物の肉なんて美味しくなさそう」と食わず嫌いの方も多いのではないか。あるいはかつて「臭い肉」を食べてしまい、もう食指が動かないという方もいると思う。 そのような方には、先入観を横に置き、まずは食していただきたいと思う。きちんと処理された新鮮な肉は、野生の肉であってもとびっきり「美味しい」。鹿は特に背ロースやタンなどが絶品。美味しいばかりでなく、高タンパク、低カロリーでビタミンB2、B6、ナイアシンカリウム、鉄、銅、亜鉛などの栄養成分も豊富である。 鹿同様、農産物に被害をもたらす「やっかいもの」ながら山の幸でもある存在として、猪がいる。鹿に比べて遥かに脂の附が厚く、それがまた旨味たっぷりで赤身の部分と合わせて調理するとコクが出てたまらなく美味。ホルモン剤等人工的な薬物の心配もなく、これぞ健康的だ。 かつて「臭い肉」を食べたことがあるとしたら、それは血液やドリップがきちんと抜けていなかった、もしくは古くなっていたのだろう。昨 今では逆に、プロの手による「美味しいジビエ」を提供するレストランが増えてきている。 『Renaisance Vol.13』ダイレクト出版 「消えゆく日本の伝統食」野生肉の復活を 葛城奈海氏より R050528 (※)環境省農林水産省は平成25年12月に「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を共同で 取りまとめ、「ニホンジカ、イノシシの個体数を10年後(令和5年度)までに半減」することを当面の捕獲目標とした。