しあわせみんな 三号店

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尾崎豊の『15の夜』

尾崎豊の『15の夜』 尾崎豊という、1992年に26歳で亡くなったシンガーソングライターがおられました。有名なヒット曲の一つに『15の夜』という曲があります。 『15の夜』の歌詞は、15歳を迎えた男子の、将来に向けた不安に満ちています。「落書きの教科書と外ばかり見てる俺」 ……現実に向き合えず、目標を持てないでいる。「自分の存在が何なのかさえ解らず震えている」……不安定な自分をどうすることもできないでいるのです。 「盗んだバイクで走り出す」……衝動を爆発させる以外になく、「自分は何をすればいいのか?」と問い続けます。 『15の夜』は、現代の男性の状況を実によく表している曲であるように感じます。 生んでくれた母親に感謝し、自分を育ててくれた家庭と社会に感謝し、それらを守るために戦っていたのが古来の男というものでした。 誤解を恐れずに申せば、現代の日本には戦争がなく、命を懸けて国を守るという状況がありません。 非婚化が進んでいるということは、守るべき家族というものを持たない人が増えているということでもあります。 比喩としての、言葉の上での戦いということはあっても、実際に倒し倒されるということは稀です。現代は、自分は何のために生きているのかということを男性が掴みづらい時代であることは確かでしょう。 『かけがえのない国――誇り高き日本文明』 武田邦彦 ((株)MND令和5年発行)より R060105 52