しあわせみんな 三号店

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医療点数のために、胃痩」を勧める悪徳医師

医療点数のために、胃痩」を勧める悪徳医師 日本の専門家たちが堕落したために起こったことの例を二つ挙げておきます。 一つは「胃痩(いろう)」治療についてです。

身体が弱ってもう食事を摂ることもできない、消化能力もないとなった時に、延命治療と称して行われる胃痩治療というものがあります。これは「胃の中に直接外部からチューブで栄養物を流す」というものです。しかしこれは医学的に大きな問題があります。 まず人間は単に栄養物を身体に摂りこめばいいというものではありません。物を食べる時には咀噌(そしゃく)をすることで消化液が出ますし、口に入れることで身体に危ないものかどうかを判定し、そこで免疫反応なども起こるのです。 胃に直接ものを入れるというのは、いくら延命治療だとはいっても問題があります。 人間はただ生きていればいいというものではありません。そうしたことから、多くの先進国では胃痩のようなただ延命させるだけの医療行為は止めています。 その点で日本は非常に遅れていました。胃痩治療の批判が高まってくると、厚労省は延命治療の医療点数を下げました。それ以前には、延命治療として胃に穴を開けて食物を通すと医者はずいぶんとお金が儲かりました。それだけ医療点数が高かったからです。 まだ延命治療全般の医療点数が高かった時代、医師たちは入院患者の家族たちに「胃痩をして胃に直接栄養分を送り込めばかなり延命できますから、それをやったらいかがですか」と勧めていました。命を延ばすためだと言われれば、家族としても「そちらのほうがいいだろう」と考える場合が多いでしょう。 ところが医師たちは、胃痩治療に対する医療点数が減らされてからは、あまり儲からないために胃痩を勧めなくなったのです。 そのように医師たちが変節するところを間近に見ていた福祉関係の人たちは驚きました。 医療点数が減ったら胃痩を勧めないということは、医師は医学の専門家としての信念によって胃痩を勧めていたのではなかったのかと………。 『「新型コロナ」「EV脱炭素」「SDGs」の大ウソ』武田邦彦著 ビジネス社刊 20240312  P55