しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

●リサイクルとお金の流れはどういう関係にあるか

●リサイクルとお金の流れはどういう関係にあるか プラスチック・リサイクルをするのになぜ国民を裏切ってまで「焼却してもリサイクル」としているのかというと、それには3つの理由がある。すべて「環境」とは無関係であり、体面を取り繕ったり、金銭的な理由からである。 ①リサイクルと言わないとお金が来ない。 ②リサイクルをすると言って法律までつくり、国民に分別をさせているのに、今更、リサイクルはダメだったとは言えない。 ③リサイクルすると言って国民に分別させて業者に渡しさえすれば、その後、捨てても「産業廃棄物」になるからお役所の責任ではない。 リサイクルだけなら簡単だが、そこにビジネスが絡んでくると複雑になる。そこで、ペットボトルについて「回収されたもの」と「お金」の流れを図表1-4で整理してみよう。複雑な図だが、少し目を疑らして見てほしい。 図で黒い線はペットボトルという「もの」がどのように流通し、回収されているのかを示している。そして網掛けの線がリサイクルに関係する「お金」の流れである。 ペットボトルは製造され、飲料を詰めて販売されて消費者に渡る。消費者はそれを使い、リサイクルすることを信じて自治体に渡す。自治体は「リサイクルする」という業者にそのペットボトルを渡す。 実際にはペットボトルはリサイクルできないから、その多くを焼却する。しかし、リサイクルするということで業者が引き取るので、自治体としては都合が良い。その理由は、次のようなものだ。 ごみとして引き取るとその処理は自治体の責任になるが、リサイクルするということで業者に渡せば、その後は知らないで通せる。また、業者にお金を渡すとしても、税金だから構わない。 つまり、自治体は助かり、業者は潤う一方で、国民だけが分別し、税金を払う。 また、図には示していないが、実際はあまり関係のない流通業者もリサイクルの特定分野の分担金を99%も負担させられている。「メリットのある人」と「損をする人」がこれほどはっきり一方的に分かれている例も珍しい。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230711