しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

●我々はリサイクルのために、どのくらいのお金を取られているのか

●我々はリサイクルのために、どのくらいのお金を取られているのか リサイクルに支払われるお金は「リサイクル率が高い方が多く出る」ということなので、何とかして見かけ上はリサイクル率を上げておかなければならない。分別回収されたペットボトルを焼却しようが中国に売り渡そうが、そんなことは関係ない。ともかくリサイクル率の数字さえ高くしておけばお金が入る、そういうことなのである。 では、我々は何の役にも立たないリサイクルのためにどのくらいのお金を取られているのだろうか。 ペットボトルだけで計算しても面倒なので、卵のトレーとかその他の包装も含めてプラスチック容器のリサイクルで取られているお金を図表1-5にまとめた。

表の中でリサイクルを始めることによってお金の負担が増えた分は日本全体で約1700億円である。その大半は自治体が収集して選別する費用であり、それが約1200億円にもなっている。また、企業がリサイクルのために負担している費用の中でもプラスチック容器包装をリサイクルするのに約300億円がかかっている。 そして、この300億円のうちの99%を流通業者が負担しているので、流通費用がかかる。その分は製品の値段に上乗せされて反映されるので、結果的に消費者にそのまま転嫁される。だから国民は税金で取られるのと、製品の値段に上積みされて取られるのとでダブルパンチを受ける。 一方、「負担減」はリサイクルしたので「一般廃棄物」の処理費が少なくなった分である。リサイクルしたからごみが減ったのではなく、市民が分別したものを業者に渡せば一般廃棄物という名前のごみではなくなるので、自治体としてはそのまま負担が減るだけである。 それが約950億円だ。こうして見ると、容器包装のリサイクルは差し引き700億円以上の損失になっている。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230712