しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

●実際にリサイクルされているのかどうかを調査してみる

●実際にリサイクルされているのかどうかを調査してみる なぜリサイクルという名目の下にこれほどの税金が注ぎ込まれなければならないのか。 日本の国民は昔から自分たちの税金が何に使われているかということについては淡白で、「まぁ、お上が適当にやってくれているだろう」と政府を信じている。しかし、このリサイクル運動に関しては国民は少なくとも裏切られているのである。我々はすぐにでも目を覚まして、リサイクルを止めさせるべきだ。今は、「情報公開(ディスクロージャー)」が盛んである。し かし、リサイクルに関してはなかなか情報を得ることができない。 筆者の研究室が実際にリサイクルしているかどうかを調べようとして、回収している自治体に問い合わせると、決まって次のような答えのパターンだ。 「リサイクルすると言っている業者に渡しました。それ以上は知りません」 そこで業者に調査に行くと、このようになる。 「引き取ったものをどうしようがビジネスだからこちらの勝手だ。あなた方に商売上の秘密を言うわけにはいかない」 今まで筆者の研究室が調べようとした具体的な事例を示そう。 ①静岡県沼津市にある大手企業の工場が「リサイクルを進めてごみゼロを達成したJとNHKの朝7時のニュースで報道したので、そのデータを調べようとしたら拒否された。NHKも現地を取材せずに会社からのデータで報道したと言っていた。 ②アルミ缶のリサイクルで「缶から缶へ」という比率が高かったので調べようとしたら、回収業者まではわかったが何に使ったかは示してくれなかった。そこでアルミニウムのリサイクルに関係している協会に聞いたら「回収したものを、アルミ缶に再生したという報告を集計しただけ」と言われた。実は、アルミ缶は蓋の部分と胴体の成分が違うので、単純に回収しても再利用できない。そこで問い合わせたのだが答えはなかった。 ③「愛知万博」で会場から出たごみを分別回収してリサイクルしたとの報道があった。同じく愛知万博に関係した業者からリサイクルすると言ってごみを引き取ったがまとめて捨てたと聞いたので、協会に問い合わせたら「引き渡した後は知らない」とのことだった。 ④家庭からのごみの分別回収が進んでいる名古屋市に「実際に焼却せずに資源として有効に使った割合を教えてください」と問い合わせたが、「リサイクルしています」と答えるだけで内容については答えて貰えなかった。 リサイクルには税金や分担金が集められているので、リサイクル率を高く設定するとお金が支払われる。 そこでリサイクルを実施している団体に問い合わせをすると、答えは必ず「リサイクルするという業者に私たちは出している」「業者からの報告を集計しているだけ」と答える。国民は税金や分担金を払っているのだから、もっと詳しく本当のことを知る権利がある。 さらに、リサイクルは日本の環境を守る活動であり、分別をしているのは国民である。そんなものに「企業の秘密」などが適用されるはずもない。仮にこれまでリサイクルすると言って焼却していたりするのなら、逆にそのお金は返して貰わなくてはならない。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230717