しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

●ごみ分別の無分別

●ごみ分別の無分別 リサイクルの法律の目的は、 ① ごみを減らす、 ② 資源を再利用する、 ③ 生活環境を保全する、そして ④ 国民経済を健全に発展させる、ことだろう。 現在のペットボトルのリサイクルやその他の容器包装プラスチックのリサイクルは結果的にごみを増やし、資源を多く使い、それに税金を使っているので法律の目的を達成していなぃ。だから、明確に違法である。 「不法投棄」が間題になっている。しかし、お役所にしても「リサイクルするから分別してください」と言っておきながら、集めたごみを焼却炉や溶鉱炉に入れるという「不法投棄」をしているではないか。 法律は「やるふり」ではダメで、その目的を達成しなければ意味がない。自治体は法律に規定されたリサイクルをする必要があるが、リサイクルの方法は法律の目的を達成するために行われる。 当たり前のことである。 しかし、実際には一部の人にお金を渡し、法律の目的に反した方法を採っている。 リサイクルでごみが増え、資源が利用されていないことだけではない。リサイクルを進めることで「生活環境」は大きく悪化した。リサイクルが始まる前は、ごみは分別せずに自治体が集めたので、毎日か隔日でごみを出すことができた。リサイクルが始まってから、「今日は00ごみ」というように規制された。特に夏場などはごみが腐るので堪らない。 この世の中には、お父さんが会社にお勤めに出て、お母さんは家で家事をして、二人の子供は学校へ行っているといった標準的な家庭ばかりではない。お母さんもお父さんも共稼ぎをしていたり、また単身赴任だったり、多様な生活環境を持った人たちが住んでいるのが今の日本の社会である。 その中で、分別する日が決まっていたらとても不便なのは目に見えている。また、分別収集するので街の中に分別して一時的に置くごみ置き場が増えた。例えば、名古屋では一般廃棄物貯蔵所の約10%が街の中のごみ捨て場になった。つまり、分別することによってごみの置き場は10%も増えたのである。 集中的な廃棄物貯蔵所は本来、一括管理ができるし、一定の場所にきちんとまとめておくことができるが、名古屋市の街の中にあるごみ収集所はそうなっているとは言いがたく大変に汚い。それも毎日、違うごみが置いてあるのでごみの中の街になった。ごみに群がるカラスもいるし、猫もいる。夏になると細菌も増えて臭い。 とんでもないことになっている。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230724