しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

●約1兆円のお金がリサイクルのために使われ、直接的間接的に我々が支払っている

●約1兆円のお金がリサイクルのために使われ、直接的間接的に我々が支払っている お金の話に踏み込んだのでついでに、リサイクルに関係して我々が取られているお金をピックアップしてみよう。 政府はリサイクルの法律をつくってしまったので、リサイクルを推進しなければならなくなった。実際にはリサイクルがうまくいっていないために、多くの税金を使ってリサイクルの技術を支援している。 例えば、平成18年(2006年)にリサイクルを推進するために直接使った国家予算は2000億円にのぼる。そのうち約半分は環境省で、約3分の1強が国土交通省、それ以外は経済産業省農林水産省が受け持っている。 もちろんこの2000億円の予算財源というのは国民からの税収だ。つまり、実際にリサイクルを行うために必要な経費以外に、さらに国民は2000億円を払っていることになる。 プラスチックのリサイクルに1700億円、家電リサイクルに 1000億円、さらにリサイクル推進のために2000億円だから、国民がリサイクルのために余分に払ったお金は1年間でトータル5000億円にもなる。 そして、この5000億円ですら少なく見積もった数字である。経済産業省でリサイクル推進のために払っている予算は一般会計からははっきりわからないし、企業でリサイクルをして余計なお金がかかった分は製品の価格に転嫁されているので、これも正確には判明しない。 推定だが、約1兆円強のお金がリサイクルのために使われ、我々が支払っている。「推定」になるのは、税金を使っているのに国が複雑な形で発表しているので大学でも調査がしづらいからである。 莫大な量のお金が使われ、それが広く国民から集められて一部の人の手に渡り、ごみも増えている。ペットボトルをリサイクルすればおよそ7倍のごみが出るし、家電製品をリサイクルすれば材料が回収できないから7倍のお金がかかる。それを何とかするためにさらに2000億円の税金を使うということがここ10年間も続いているのだ。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230716