しあわせみんな 三号店

日本人は太古の昔から「しあわせみんな」という素晴らしい知恵をもって生きてきました

●ごみ袋を特定する必要はまったくない

●ごみ袋を特定する必要はまったくない おまけに市区町村で「ごみ袋を指定する」ということもやった。リサイクルが始まる前のごみ袋はスーパーからもらった袋を有効に使っていた。ところが、ある時から自治体がごみ袋を特定するようになった。ごみ袋はどうせ燃やすのだから何でも良いのだが。 筆者はプラスチックの燃焼の研究を長くしているが、別段、ごみ袋を制限する必要はまったくない。ごみ袋を特定するために自治体はいろいろな理屈をこねている。例えば、ポリ袋をそのまま燃やすとカロリーが高いから焼却炉を破壊すると言っているが、これなどは素人でもわかるほど荒唐無稽な話である。 ごみ袋のカロリーがいくら高くても、ごみ袋の中には台所から出された湿ったごみが入っているのだからカロリーは全体としては不足する。だから、普通に考えるならば、自治体がごみ袋をつくる特定の業者に便宜を図っているとしか考えられない。 業者と自治体が癒着している証拠を示せと言われると困るが、こんなに変な決まりをつくるのだから、自治体の方が業者と癒消していないということを証明する必要があるだろう。科学的にまったく意味のないことをするのだから、その理由をはっきりさせるのは実施側であって国民ではない。 情報公開(ディスクロージャー)の精神は、情報公開を要求された時だけ公開するのではなく、新しいことをやる場合やどうしても不合理なことをやらざるを得ない時には納税者にしつかりとその理由を示すことを言うのである。主人は国民であって、お役所ではない。 ごみを捨てられなくなるのは、生活ができないのと同等である。昔のように裏庭があればそこに捨てることもできるが、マンションに住んでいて自治体がごみを持って行かないということになると死活問題である。 「排出者責任」と言ってごみを捨てにくくしているが、人間が快適に生活をしようとするとごみが出る。もともと自治体が市民に提供するサービスの一つに社会の活動に伴って発生する不要物を共同で処理する役割もあることを思い出していただきたぃ。自治体がごみ処理のサービスをしてくれないのなら、自治体は解散して、福祉、教育などその機能ごとに分割して、国民は必要なサービスだけを選択できるようにしてほしいものだ。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230725