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ベーブ・ルース高めた本塁打王の価値、大谷翔平が脚光を浴びるのは当然、投手本塁打の記録塗り替えて

ルース高めた本塁打王の価値、大谷翔平が脚光を浴びるのは当然、投手本塁打の記録塗り替えて…ヒルマニア(スポーツ報知)

 エンゼルス大谷翔平投手(29)が1日(日本時間2日)、日本選手初となる本塁打王に輝いた。今季のレギュラーシーズン全日程が終了し確定した。右肘手術などの影響でシーズン最後の25試合を欠場しながら、44本塁打ア・リーグトップを譲らず、またしても大谷伝説に新たな1ページを刻んだ。今オフには、自身初のFAとなって動向も注目。2年ぶりのア・リーグMVP受賞も有力視されている。  * * *  昔の米大リーグでは本数が少なかったこともあり、本塁打のタイトルは首位打者などから比べ注目度が高くなかった。昨年のア・リーグ全体の長打の比率を出すと二塁打58%、本塁打38%、三塁打4%。通算打率3割6分6厘で“球聖”と言われたタイ・カッブ3冠王になった1909年は二塁打68%、三塁打26%。本塁打は6%と今の三塁打のような少なさだった。また、当時はグラウンドも今のように整備されておらず、1908年の本塁打王サム・クロフォードは通算97本中、51本はランニング本塁打(カッブも117本中47本)だった。  そんな状況もあって、カッブの自伝には「弱冠23歳にして、既に3度も3冠王の栄誉を勝ち得ていた。つまり、安打数、打点、打率がそろってリーグ1位を占めていた(当時は本塁打3冠王の要素になっていない)。1913年から14年にかけてベーカーらのホームラン打者が現れてから、安打の代わりに本塁打が加わって、現在の形になった」とある。ベーカーは4年連続リーグ最多本塁打ワールドシリーズで当時としては最多でもあった通算3本放って、彼は“ホームラン”・ベーカーとも言われた。  それでも本塁打の魅力をファンにアピールした最大の功労者は投手としてデビューし、その後12回の本塁打王となったベーブ・ルースに他ならない。ヤンキースに移籍し54本打った1920年などは8チームあったア・リーグ全体の15%を一人で放ち(リーグ2位は19本)、野球人気を不動のものに押し上げた。戦後、ナ・リーグで7年連続本塁打王になったラルフ・カイナーが残した「ホームランバッターは(高級車の)キャデラックに乗るが、シングルヒッターはフォードに乗る」という名言は、ホームランバッターがいかに注目されているかの証明でもある。投手をやるだけでなく規格外の特大アーチを連発する大谷が脚光を浴びるのは当然だ。  大谷にはシーズン50本、そして60本の期待もそうだが、私としてはまだ通算9本で止まっているマウンドに上がっている状況での本塁打に期待したい。投手としてのメジャー記録はシーズン最多が9、通算が37本で、1927から41年までインディアンスなどでプレーしたウェス・ファーレルが記録している。右肘が完治して投手に復帰したなら、ぜひともこの2つの投手本塁打の記録を塗り替えてほしい。(蛭間 豊章=ベースボール・アナリスト)