なぜ世論は180度転換したのか マスクやワクチンの問題について長々と取り上げてきましたが、私の興味はマスクやワクチンの問題そのものよりは、今回のような異常な騒動を生んだ根源的なものは何かということにあります。 くり返しますが、今までインフルエンザの患者は一年に２千万人もいて、重症化する人や亡くなった人がたくさんいました。 ところが今回、新型コロナウイルスは風邪のウイルスの一種であるにもかかわらず突如としていろいろなことが起きてしまいました。 テレビなどのメディアが大騒ぎをして、自粛というものがあって、飲食店なども閉まってしまい、お酒を提供できなくなりました。 これまで長い間「マスクは風邪には効果がない」と言われてきたものが、マスクをしなければ飛行機に乗れない、ホテルにも泊まれないということになりました。 そうして、安全審査が完全には終わっていないワクチンを国民の多くが接種することに対して、政治家も医師も専門家も反対しない。むしろワクチン接種に反対するほうが反社会的であるということになりました。 このようにあっという間に社会が180 度変わってしまったことの理由はいったいどこにあるのか――――、そのことこそが大きな問題のように思うのです。 『「新型コロナ」「EV脱炭素」「SDGｓ」の大ウソ』武田邦彦著 ビジネス社刊 20240401 P112
