日本文化軽視が国の衰退を招く かつて世界の最先端を行くほどだった日本の産業が、もろくも崩れ去ってしまいました。 電機電子産業については、外務省や通産省の無策が原因でした。自動車機械産業は、日本政府自身が気候温暖化対策を謳って電気自動車に代えるといった圧力をかけてい くことになるでしょう。 さらに今後予想されるのが、プラスチック化学産業を潰そうという日本の政治家の動きなのですが、これらの根底にあるものはいったい何でしょうか。 今まで日本は中国、中東、中央アジア、ヨーロッパ、アメリカのような大陸国と違って独特の日本社会や日本文化をつくってきました。そして明治維新からはそれらに基づいた産業を育ててきて、それが成功して日本の発展につながったわけです。 その結果、日露戦争などにも勝ってきましたし、また先の大戦で焼け野原になりましたが、再び「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれる世界でも類をみないような目覚ましい発展を遂げたのは、とりもなおさずその根底に日本文化があったからだ、というのが私の考えです。 
そして今の日本が「失われた30年」に苦しめられているのは、日本文化を尊重しなかったからです。 浅はかな日本の文化人や政治家たちが、欧米の文化を真似ることだけに邁進したことに日本衰退の原因があるのです。 『「新型コロナ」「EV脱炭素」「SDGｓ」の大ウソ』武田邦彦著 ビジネス社刊 20240416 P158
