しあわせみんな 三号店

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疑問だらけのEV化

疑問だらけのEV化 現物を見たことはなく、見たいとも思いませんが、クルマ 全体の数%がEVになる程度ならかまいません。どうぞご自由に。けれど、いろんな面を調べてみれば、EV化は疑問だらけだとわかります。まずは電力の問題です。 大停電! やや極端な例ですけれど、東京の都心を考えます。ウソ2に書いたとおり、都心の一〇〇平方キロメートル圏内では、消費エネルギーの大きさが、電力もクルマもほぼ同じでした。すると、クルマの二割や三割がEVになった瞬間、電力がまるで足りない。強い地震や台風が来るたびに電力不足が騒がれる昨今、しじゅう停電することになりそうです。都民なら誰もがそうお感じでしょう。 EV化を推進したいなら、火力発電所の増設や原発の再稼働をセットにして語るのが筋なのに、そういう声はあまり聞いたことがありません。 大問題のバッテリー EVは、車体そのものも、価格面でも、ほぼ バッテリー(蓄電池)とみてよい製品です。普通サイズのEVでも、重さ二〇〇~三〇〇キログラム以上のバッテリーを積んでいます。 自分で計算したわけではありませんが、そのバッテリーは、莫大なエネルギーを使って(むろんCO2を排出して)つくる………という話を読んだことがあります。先ほど触れた産経の子ども向け解説も、そんなことを書いていました。製造時の消費エネルギーが少なければ化石資源の保全に役立つのですが(温暖化や気候変動はどうでもよい)、どうもそうではなさそうだから、環境にやさしいはずはありません。 しかもEVだと、モーター用の強い磁石をつくるのに、ネオジムやジスプロシ ウムなど、特殊な金属が欠かせない。国内では調達できず、中国やコンゴ民主共和国から買うことになります。国際情勢の成り行きしだいでは、調達がどうなるか読みにくい国々ですよ。そんなことでいいのでしょうか? なお、バッテリーが現行のリチウムイオン電池なら、電極用のニッケルやコ バルトも、同じ状況にあります。 「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)