しあわせみんな 三号店

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和歌山県のトンネル手抜き工事から見える日本人の魂の喪失

和歌山県のトンネル手抜き工事から見える日本人の魂の喪失 近い将来に発生するといわれている南海トラフ巨大地震において甚大な被害が予想される和歌山県で、その際の迂回路として使われる予定だったトンネルの工事がやり直されることになったというニュースがありました。このトンネルは和歌山県南部の那智勝浦町串本町を結ぶ県道にある全長711メートルの「八郎山トンネル」で、地震などの災害時には海側を走る国道42号の迂回路として使われるものです。このトンネルは2020年7月に実施された一般競争入札により、地元の共同企業体(JV)が落札したもので、同年9月に着工し2022年9月に完成していました。ところが、別の業者が同年12月に行った照明設置工事で上部のコンクリートに穴を開けた際、天井との間に空洞が見つかったのですから大変です。 県が調査したところ、空洞は全体の約7割の範囲に及んでいたそうで、ほとんどが“スカスカ”だったということです。さらに日本道路協会の基準では、トンネルのコンクリートの厚さは30センチを確保する必要があるとしているにもかかわらず、このトンネルの最も薄いところではその10分の1の3センチしかなかったといいますから驚きです。このままでは大地震が来るまでもなく、ただの経年劣化だけでひび割れや落下する恐れがあるそうです。 原因は県が必要な検査を怠りコンクリートの厚さ不足を見逃していたこととされましたが、県の怠慢は責められるとして実際の施工者はどういう思いで打設していたのでしょう。アルバイトがわけもわからずコンクリートを言われるままに流し込んでいたとしても、そこには現場監督が必ずいたはずです。「どうせ見えない箇所だから」「検査されないからバレるわけがない」と高をくくっていたとしたら、そこには「われわれは誰にも後ろ指されることのないモノを自信をもって造る」という建設のプロとしてもプライドは微塵もありません。日本人は本来、「見られてなくてもちゃんとする」民族でしたが、それが「見られているからちゃんとする」になり、挙句の果てに「見られていないからどうでもいい」になっていたとしたら残念なことです。 自然災害は避けて通ることが出来ません。肝心なことはその時に備え、万全の準備を怠らないことです。このトンネルは工事をやり直すことになり、今年12月に予定していた供用開始が半年以上遅れることとなりました。その間に災害が来ないことを願うばかりです。 百田尚樹のニュースに一言 令和5年11月24日号より